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昇級審査が終わり、新しい帯を頂く。

その日道場には小さい「先生」が登場する。

師範が、昇級した帯ごとのグループに分け
そこへ「先生」を付けられる。
「先生」にとってはいきなりの指名と配属。


「先生」は昇級審査を受けなかった者。
つまり、その帯で覚えることのできる型を知っている者。

小学3年生のAちゃん「青帯先生」の配属先は新青帯の高校生グループ。
照れたような嬉しいような顔で前に出て型を始める。
時々振り返り、小走りで近寄り違う箇所を教えている。

見上げて教える「先生」と、頭を下げて顔を近づけて聞く高校生。

そんな小さい「先生」があちこちに出没する。


「ほら、今日○○は”先生”。 教えるのが一番勉強になるんだよ」

師範はいつものように本人の前ではなく、その保護者の前で話される。


「上手にやってるよ」

「先生」と聞いて恐縮する保護者にそう付け足して下さる。



教える事で普段自分がしている型を振り返れる。
そして、年齢差による距離がちょっとだけ近づく。


決して長いものではない時間。

体で覚える少年部と頭で覚える一般。
どちらにとっても満足に覚えられる時間ではないが
教えた側は、教えたという達成感が、
教えられる側は、小さい子でも覚えてるから自分も覚えられるという自信が出るのではないか・・・

なーーんて。


小さい「先生」ばかりではないけれど
保護者的に小さい「先生」に目が行く。

そんな恒例の風景。

















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